葬儀

葬式の参列を見た!

大勢の人間が喪服に身を固めていた!

貸切バスが何台も到着し、真っ黒な集団を次から次へと吐き出していた!

しかし親戚の老人老婆、昔話に花を咲かせ語らい笑い合い、従兄弟の子どもら小突き合いふざけ合い、学生服の少年ら休日がつぶされたことにふてくされ不服顔、悲しみの色などどこにもない!

人生はまだまだ長いだって?

それもよかろう! だが人生は往々にして、心の準備できぬままある日突然に打ち切られるのだ!

明日は我が身だって?

それもよかろう! だがそれに限って人生はなかなか終わらぬ、老いさらばえ身体は衰え、目と耳は弱り、尻すぼみの人生ひたすら消え入る時を待つ、地獄の苦しみを味わうのだ!

そこへ青空にわかに曇り、1滴2滴、大粒の水落ち、そして突然の豪雨。

黒い喪服にさらに真っ黒な染み無数につくり、叫び声、逃げ惑う老人、夫婦、少年少女、地元権力者、葬儀屋、我先にと屋内に駆け込み、ようやく暗い瞳でみな空を見上げる。

あとに残るは棺桶のみ。霊柩車に半分突っ込まれたまま放置され、誰にも目を向けられることもなく、鈍く光る雨筋いくつも流れる。

死者だけが雨に濡れる。

(2007/4/16)